活動報告:GIAHN(法人)メンバーによるBook Chapterが国際学術書に掲載されました

当団体の理事・研究者である中島一郎、村山良介らの共同執筆によるBook Chapterが、国際学術書『Human Teeth: From Molecules to Medicine』に掲載されました。

出版社であるIntechOpenは、国連とInternational Publishers Association(国際出版者協会)が推進する「SDG Publishers Compact」のメンバーであり、オープンアクセスを通じて、途上国を含む世界各国へ学術知見を広く届ける取り組みを進めています。

国連:SDG Publishers Compact メンバー一覧

本章では、幼少期からの「総合的咀嚼システム」の発達と、生涯にわたる脳機能、認知機能低下、フレイル等との関連について、神経生理学等の観点から既存の研究知見を整理・考察し、ライフコースを通じた新たな保健医療戦略と今後の研究の方向性を提案しています。

章タイトル(Book Chapter)

From Teeth to the Brain: The Integrated Masticatory System Across the Human Lifespan

https://www.intechopen.com/online-first/1256652

主な考察・提言のポイント

■ 発達単位としての咀嚼システム

歯や顎骨だけでなく、唇・舌・筋肉・神経系が一体となって発達・機能するという視点から、咀嚼システムを単なる口腔局所の構造ではなく、発達と機能を統合的に捉える「発達単位」として再考する概念的モデルを提示しています。

■ 脳と咀嚼・嚥下のネットワーク

これまでの神経生理学的研究やfMRI研究等をもとに、咀嚼・嚥下が中枢神経系を含む広範な感覚運動ネットワークによって制御されることを整理し、口腔機能と脳機能との関連について考察しています。

■ 生涯(ライフコース)を通じた予防戦略への提言

高齢期における口腔機能低下(オーラルハイポファンクション)、嚥下機能の低下、フレイル、認知機能低下等に関する研究知見を踏まえ、幼少期からの口腔機能の育成・維持を生涯にわたる健康づくりの視点から捉えることの重要性を提案しています。また、幼少期から高齢期までを連続したライフコースとして捉えることで、歯科医学、神経科学、リハビリテーション、老年医学等の専門領域を横断した、今後の研究・保健医療戦略の可能性を示しています。

GIAHNでは、本章で示されたライフコースを通じた口腔・保健医療の視点も踏まえ、ICTを活用した保健医療戦略の検討・実践に取り組んでまいります。